『理論暗記法』で実際に税理士試験・相続税法の内容を暗記していきます。『理論暗記法』は税理士試験の税法科目の理論を効率的に暗記できる勉強法となっています。はじめての方はこちらの『税理士試験の効率的な勉強法・コツ【理論暗記法】』からお読みください。
今回は期限後申告、修正申告及び更正の請求について基本的内容を理論暗記法で暗記していきます。ポイントはどれも『できる』で文末が終わっています。期限後申告は、提出期限後に申告書を提出する場合、修正申告は納めた税金に不足額がある場合で、更正の請求は税金を多く納め過ぎた場合に行う手続きです。
税法全般に言える期限後申告、修正申告、更正の請求についてです。この記事を読み終えたときには、期限後申告、修正申告、更正の請求とは何か?と聞かれたら答えられるようになるつもりで読み進めていきましょう。
〔1〕期限後申告
税務署長に提出することができる。
何を?
期限後申告書を
いつ?
その提出期限後においても、決定があるまでは、
誰が?
期限内申告書を提出すべきであった者は、
全文
「期限内申告書を提出すべきであった者は、その提出期限後においても、決定があるまでは、期限後申告書を税務署長に提出することができる。」
期限後申告書は期限内申告書を提出期限までに提出しなかった場合には期限後申告という形になります。
ざっくりいうと、「期限内申告書を提出すべきであった者は、決定があるまでは、提出することができる。」ということです。
〔2〕修正申告
修正申告書を税務署長に提出することができる。
どんな場合に?
次のいずれかに該当する場合には、
誰が?
納税申告書を提出した者及び更正又は決定を受けた者は、
次のいずれかに該当する場合とは?
(1)不足額があるとき
何に?
先の申告書に記載した又は更正通知書・決定通知書に記載された税額に
(2)過大であるとき
何が?
先の申告書に記載した又は更正通知書・決定通知書に記載された還付金の額に相当する税額が
(3)納付すべき税額があるとき
どんな場合に?
先の申告書又は更正において、納付すべき税額がないとされていた場合において
全文
「納税申告書を提出した者及び更正又は決定を受けた者は、次のいずれかに該当する場合には、更正があるまでは、修正申告書を税務署長に提出することができる。
(1)先の申告書に記載した又は更正通知書・決定通知書に記載された税額に不足額があるとき
(2)先の申告書に記載した又は更正通知書・決定通知書に記載された還付金の額に相当する税額が過大であるとき
(3)先の申告書又は更正において、納付すべき税額がないとされていた場合において納付すべき税額があるとき」
修正申告について、ざっくりいうと「税額に不足があるとき、還付額が過大であるとき、税額があるときは、提出した者及び更正又は決定を受けた者は、提出することができる。」ということです。
期限後申告の主語と違って、既に申告書を提出している場合です。
〔3〕更正の請求の原則
納税申告書を提出した者は、更正の請求をすることができる。
誰に?
税務署長に対し、
いつまでに?
国税の法定申告期限から5年(贈与税の場合には6年)以内に限り、
どんな場合に?
次のいずれかに該当する場合には、
いずれかに該当する場合とは?
(1)その申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき
どんな理由?
その申告書に記載した課税価格若しくは税額の計算が国税に関する法律の規定に従っていたなかったこと又はその計算に誤りがあったことにより、
(2)還付金の額に相当する税額が過少であるとき、又はその申告書に還付金の額に相当する税額の記載がなかったとき
どんな理由で?
(1)の理由により、
全文
「納税申告書を提出した者は、次のいずれかに該当する場合には、その申告書に係る国税の法定申告期限から5年(贈与税の場合には6年)以内に限り、税務署長に対し、更正の請求をすることができる。
(1)その申告書に記載した課税価格若しくは税額の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又はその計算に誤りがあったことにより、その申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき
(2)(1)の理由により、その申告書に記載した還付金の額に相当する税額が過少であるとき、又はその申告書に還付金の額に相当する税額の記載がなかったとき」
正当な方法によって計算した税額よりも多く負担しているような場合に更正の請求をすることができるということですね。更正の請求もすでに申告書を提出している場合です。
〔4〕更正の請求の特則
納税申告書を提出した者又は決定を受けた者は、2月以内に税務署長に対し、更正の請求をすることができる。
どんな場合?
次のいずれかに該当する場合には、〔3〕にかかわらず、
いつから2月以内?
次の事実が確定した日又は更正等があった日の翌日から2月以内(納税申告書を提出した者については、その期間終了の日が〔3〕の請求期限後に到来する場合に限る。)
次のいずれかに該当する場合とは?
(1)その申告等に係る課税価格又は税額の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決等により、その事実がその計算の基礎としたところと異なることが確定したとき
(2)その申告等をした者に帰属するものとされていた所得その他課税物件が他の者に帰属するものとする当該他の者に係る国税の更正又は決定があったとき
(3)その他国税の法定申告期限後に生じた(1)及び(2)に類するやむを得ない理由があるとき
赤文字から中心に覚えてくださいね!
全文
「納税申告書を提出した者又は決定を受けた者は、次のいずれかに該当する場合には、〔3〕にかかわらず、次の事実が確定した日又は更正等があった日の翌日から2月以内(納税申告書を提出した者については、その期間終了の日が〔3〕の請求期限後に到来する場合に限る。)に税務署長に対し、更正の請求をすることができる。
(1)その申告等に係る課税価格又は税額の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決等により、その事実がその計算の基礎としたところと異なることが確定したとき
(2)その申告等をした者に帰属するものとされていた所得その他課税物件が他の者に帰属するものとする当該他の者に係る国税の更正又は決定があったとき
(3)その他国税の法定申告期限後に生じた(1)及び(2)に類するやむを得ない理由があるとき」
更正の請求の特則の理由はどれも正当性のあるやむを得ない理由になります。その場合にはその事実が確定した日の翌日、もしくは、更正等のあった翌日から2か月以内に更正の請求をすることができます。
【相続税法の理論暗記】期限後申告、修正申告及び更正の請求~まとめ~
今回は税法全般に言える期限後申告、修正申告及び更正の請求について理論暗記法でまとめました。細かい箇所は、はじめはざっくりで良いので少しずつ暗記をしていきましょう。
それでは、復習です。
期限後申告、修正申告及び更正の請求とは何でしょうか?知っていることを書いてください。
期限後申告は、「提出すべき者が、決定があるまでは、提出することができる。」でしたね。
修正申告は、「税額に不足があるとき、還付額が過大であるとき、税額があるときは、提出した者及び更正又は決定を受けた者は、提出することができる。」ということでした。
更正の請求は、原則と特則がありました。
今回はここまで。それではまた(^^)/
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