【相続税法】債務控除について

相続税法の理論暗記

今回は相続税法の債務控除についてまとめました。

前回は相続税の納税義務者、つまり、誰が相続税を納めなければならないのかについて解説しました。

相続税の納税義務者の区分は4つありましたね(^^)

今日はその納税義務者の区分によって取り扱いが異なる債務控除についてです。

さいむこうじょ?債務控除とは?

債務控除ってそもそもなんでしょうか?

相続税法の債務控除とは一体なんでしょう?債務とは負債のこと。控除とは取り除くこと。

債務控除とは負債を取り除くことです。では、何から取り除くのでしょうか?債務控除は、課税価格に参入すべき財産の価額から負債を取り除きます。

相続財産は資産の性質の正の財産と負債の性質の負の財産の2つに分類されます。

どちらも相続が発生すると承継するわけですが、正の財産のみに税率がかけられるのはおかしいですよね。

正の財産から負の財産を差し引いた価額を課税価格とするのが理にかなっています。

そこで、被相続人の所有していた負の財産については課税価格に参入させる財産の価額から控除していきましょうというのが債務控除です。

債務控除は、相続税の納税義務者の区分によって異なってきます。

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無制限納税義務者等

相続又は遺贈により財産を取得した者(相続人・包括受遺者に限る。)が、居住無制限納税義務者、非居住無制限納税義務者又は法施行地に住所を有する特定納税義務者である場合には、その財産及び相続時精算課税適用財産については、課税価格に参入すべき価額は、その財産の価額から次の負担した金額を控除した金額による。

  1. 被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)
  2. 被相続人に係る葬式費用

被相続人に係る葬式費用について実際に負担した分に関しては、相続を放棄した人や相続権のない人も控除できます

相続権は、その被相続人が生きている間に虐待などをすることによって失われることもあります。また、負の財産の方が正の財産よりも多い場合には、相続権を放棄することもできます。

ちょっと難しいですね(;^ω^)

文中に包括受遺者って言葉が出てきましたが、包括受遺者とはなんでしょう?

包括受遺者について説明する前に、包括遺贈について説明します。

包括遺贈とは、被相続人が遺言によって、「財産の3分の1を嫁に与える」といったように包括的に財産を遺贈することです。

一方、特定遺贈とは、被相続人が遺言によって、「A土地を弟に与える」といったように特定の財産を指定して遺贈することです。

つまり、包括受遺者とは、包括遺贈によって財産をもらう人のことです。

再度、無制限納税義務者の債務控除について熟読したのち、今度は制限納税義務者についてです。

制限納税義務者

相続又は遺贈により財産を取得した者が制限納税義務者又は法施行地に住所を有しない特定納税義務者である場合には、その財産で法施行地にあるもの及び相続時精算課税適用財産については、課税価格に参入すべき価額は、その財産の価額から次の負担した金額を控除した金額による。

  1. その財産に係る公租公課
  2. その財産を目的とする留置権等で担保される債務
  3. 1,2の債務のほか、その財産の取得、維持又は管理のために生じた債務
  4. その財産に関する贈与の義務
  5. 以上の債務のほか、被相続人が死亡の際法施行地に有していた営業所等に係る営業上等の債務

なんだかたくさんありますね(;^ω^)

1の公租公課は税金のようなものです。

2に留置権と出てきましたが、留置権は留め置く権利のことで、例えば、眼鏡を眼鏡屋さんに修理に出して、代金を支払うまでその眼鏡をお店側が留め置くことができます。この権利を留置権と言います。

3はそのままの意味で、4の贈与の義務とは、将来ある物をあげる約束をしていたがあげる前に贈与するはずだった人が亡くなった場合に関わってくる義務のことです。

5は自営業を営んでいた場合に関する債務ですね。

債務の意義

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確実な債務

控除すべき債務は、確実と認められるものに限ります。

公租公課の種類

先程、少し説明しましたが、公租公課とは税金です。

どんな税金かというと、被相続人の死亡の際納税義務が確定しているもののほか、被相続人の死亡後相続税の納税義務者が納付し、又は徴収されることとなった被相続人の所得税、相続税、贈与税です。

しかし、相続人や包括受遺者のせいで徴収されることとなった附帯税は含みません。

控除が認められていない債務

また、控除が認められていない債務もあります。

  1. 墓地、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの
  2. 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う一定のものが相続又は遺贈により取得した財産でその公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの

つまり、非課税財産に関わるものについては控除できません

非課税財産?

また、新しい言葉が出てきましたが、次回は非課税財産について説明していこうと思っています。

それでは、今日はここまで(^^)

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