以前紹介させていただいた『理論暗記法』で実際に税理士試験・相続税法の内容を暗記していきます。『理論暗記法』は税理士試験の税法科目の理論を効率的に暗記できる勉強法となっています。はじめての方はこちらの『税理士試験の効率的な勉強法・コツ【理論暗記法】』からお読みください。
本日は、相続税法の贈与税の期限内申告をまとめていきたいと思います。赤字を中心に暗記してみてくださいね。
まずは目次から暗記です。
〔1〕提出義務者及び提出期限
今回は贈与税の期限内申告になります。相続税の期限内申告との違いをしっかりと理解してください。
(1)本来の提出義務者
贈与により財産を取得した者は、期限内申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
いつまでに?
その年の翌年2月1日から3月15日までに、
どんな場合に?
その年分の贈与税があるとき又はその財産が相続時精算課税適用財産であるときは、
全文
「贈与により財産を取得した者は、その年分の贈与税があるとき又はその財産が相続時精算課税適用財産であるときは、その年の翌年2月1日から3月15日までに、期限内申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。」
述語の部分は、相続税の期限内申告と同じなので、今回は、「期限内申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。」としています。はじめてご覧になる方は、「提出しなければならない。」から暗記を試みてください。
相続税と異なり、贈与税は、『その年の翌年2月1日から3月15日までに』提出しなければなりません。相続税は、『その相続開始を知った日の翌日から10月以内に』提出しなければなりませんでしたね。
(2)提出義務の承継者
その死亡した者の相続人又は包括受遺者は、その死亡した者の期限内申告書をその死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
いつまでに?
その相続開始を知った日の翌日から10月以内に
ここまでは、相続税の期限内申告書の提出義務の承継者と同じですね。ですが、全文を見ると場合が異なってきます。
全文
「次の場合には、その死亡した者の相続人又は包括受遺者は、その相続開始を知った日の翌日から10月以内に、その死亡した者の期限内申告書をその死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。」
次の場合とは?
①年の中途において死亡した者が贈与税があることとなるとき
全文
「年の中途において死亡した者がその年1月1日から死亡の日までに贈与により取得した財産の価額につき贈与税額があることとなるとき」
②相続時精算課税適用者が相続時精算課税適用財産を贈与により取得したとき
全文
「相続時精算課税適用者が年の中途において死亡した場合に、その年1月1日から死亡の日までに相続時精算課税適用財産を贈与により取得したとき」
③期限内申告書を提出すべき者が申告書を提出しないで死亡した場合
全文
「期限内申告書を提出すべき者がその申告書の提出期限前にその申告書を提出しないで死亡した場合」
少し暗記の量が多いですね。まずは赤字から覚えるようにしましょう。
(3)提出期限の特例
これは相続税の期限内申告の理論と全く同じです。
その期限を延長することができる。
誰が?
税務署長等は、
どのくらい延長できるか?
その理由のやんだ日から2月以内に限り、
どんな場合?
災害等の理由により、申告期限までに申告することができないと認めるときは、
延長することができるのは税務署長等です。延長はその理由がやんが日から2か月以内です。
(4)提出を要しない場合
①決定があった場合には、適用しない。
全文
「(1)(2)の規定は、期限内申告書の提出期限前に贈与税について決定があった場合には、適用しない。」
②特定贈与者がその贈与をした年の中途に死亡したときは、期限内申告書を提出することを要しない。
全文
「相続時精算課税適用者が相続時精算課税適用財産を取得した場合において、特定贈与者がその贈与をした年の中途に死亡したときは、その財産については、期限内申告書を提出することを要しない。」
相続税の期限内申告書の理論では①のみでした。青字が相続税から贈与税になっていますね。贈与税の期限内申告の場合には、②が入ってきますので、「特定贈与者がその年の中途に死亡したときは、」をしっかり暗記しましょう。
〔2〕納付
期限内申告書を提出した者は、その申告書に記載した贈与税を国に納付しなければならない。
いつまでに?
その申告書の提出期限までに、
ほとんど相続税の期限内申告書の納付の理論と同じですね。青色の文字だけ異なるの注意が必要です。納付の理論は「国に納付しなければならない。」ということをしっかり書けるようにしましょう。
【税理士・試験勉強・理論暗記法】贈与税の期限内申告~まとめ~
今回は理論暗記法で贈与税の期限内申告についてまとめました。税理士試験で問われたら、最低限今回の内容を記述できるようにしたいところです。また、今回のように相続税の期限内申告と似ている箇所がでてきたら、どこが異なるのか、しっかりと認識しましょう。
税理士試験に合格するためには、ある程度の努力も必要です。効率的な勉強法の理論暗記法に加え、日々コツコツ継続して暗記するようにしていきましょう。
今回はここまで。それではまた(^^)/