とにかく衝撃的でした!
毎朝焼きたてのパンにマーガリンを塗って、
マーガリンが少し溶けたくらいに食べることに幸せを感じていた私の耳に
『マーガリンは非常に危険だ』ということが入ってきたからです。
マーガリンが危険であるなら、私はほぼ毎朝、パンと共に摂取していた私の体は、
どうなるのでしょうか?
いや、信じたくない。
そんな気持ちがありますが、
真実を突き止めなくてはなりません。
果たして、本当に『マーガリンは体に悪いのか?』についてまとめていきたいと思います。
マーガリンが危険な理由
『マーガリンが危険な理由』を確かめるにはどういった情報源を探るのが良いのであろうか?
信憑性が高いものから、探ってみました。
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が危険!
マーガリンが危険なのは、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の過剰摂取が人体に悪影響を及ぼすからです。
農林水産省が公表している『すぐにわかるトランス脂肪酸』では、
- トランス脂肪酸を摂取しすぎると血中の善玉コレステロールが減り、悪玉コレステロールが増え、結果、少ない場合と比較して腎臓病のリスクを高める。
- トランス脂肪酸に関する多くの研究結果は、欧米人を対象としたものであり、日本人の場合にも同じ影響があるのかどうかは明らかではない。
- 人工的に作られたトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では、健康に及ぼす影響に違いがあるのか、また、たくさんあるトランス脂肪酸の中でどのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼしているのかについて十分な証拠がない。
- トランス脂肪酸の摂取量が少ない国々では、トランス脂肪酸の表示の義務付けや、上限値の設定は行わずに、トランス脂肪酸の総量を自主的に低減するように事業者に求めている。
とまあ、こんなところでしょうか。
農林水産省では、「トランス脂肪酸は体に悪影響を及ぼすとしつつ、日本人に悪影響を及ぼす十分な証拠がない」としています。
つまり、『トランス脂肪酸が危険である』ということは認めていますが、それを規制するほどの十分な証拠がないから規制はしていないということになります。
アメリカ心臓協会のトランス脂肪酸についての見解
日本の農林水産省の考え方だけでは、情報が不十分でしたので、
海外のトランス脂肪酸に関する見解を調べてみたところ、
American Heart Association(アメリカ心臓協会)では、
トランス脂肪酸について、心疾患と糖尿病のリスクを高める内容が書かれていました。
トランス脂肪酸は、自然にあるトランス脂肪酸と人工的に作られたトランス脂肪酸の2つに大別できます。
農林水産省と同様に人工的に作られたトランス脂肪酸は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やす働きがあることも言及しています。
この自然にあるトランス脂肪酸が、人工的に作られたトランス脂肪酸と同じように、コレステロールにおいて悪影響があるかどうかを決定する十分な研究はありません。
トランス脂肪酸は、どういった食べ物に含まれているかというと、
ドーナッツ、ケーキ、パイ、ビスケット、冷凍ピザ、クッキー、クラッカーやマーガリンに至るまで、
さまざまな食品に含まれています。
確かに、人工的に作られたトランス脂肪酸が含まれているマーガリンの過剰摂取は健康に悪影響を及ぼしそうです。
雪印メグミルク、明治による見解
国や公的機関の見解はわかりました。
それでは、実際にマーガリンを販売している雪印はどうでしょうか?
マーガリンにトランス脂肪酸が含まれているとしつつ、そのリスクについて、全く言及していません。
うーん。トランス脂肪酸に関するリンクも切れていますし、信用したくても信用しづらいです。
一方、明治の公式ホームページのQ&Aにおいては、
トランス脂肪酸は動脈硬化や心疾患のリスクを高めることを解説しているが、
自然に生成したトランス脂肪酸が人工的に生成されたトランス脂肪酸と同じようなリスクがあるとは
考えづらいという意見を重宝しています。
そのうえで、自社のマーガリンはトランス脂肪酸の含有量を大幅に低減していると述べています。
まだ、安全とは言い切れないということですね。
トランス脂肪酸の摂取量について
トランス脂肪酸の過剰摂取は危険であるとしていますが、
どの程度摂取したとすると、危険であるのでしょうか?
WHO(世界保健機関)では、
総エネルギー摂取量の1%未満にするように勧告しています。
ちなみに、内閣府の食品安全委員会で公開されている文書によると、
トランス脂肪酸の平均摂取量(エネルギー比)は、
アメリカは2.2%、日本は0.3%
となっています。
これを見る限り日本人の摂取量は安全圏であると言えます。
ただ、WHOの1%基準の根拠が必ず合っているとは限りません。
いずれにせよ、やはりトランス脂肪酸は人体に悪影響を及ぼすということは間違いなさそうです。
マーガリンは危険か?
今までに調べたことをまとめると、
人工的に生成されたトランス脂肪酸の過剰摂取は、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やし、
糖尿病と心疾患のリスクを高めるということがわかりました。
どこから過剰摂取であるかというと、WHOの見解によると、エネルギー摂取量の1%が目安となっています。
では、マーガリンにはどれくらいのトランス脂肪酸を含んでいるのでしょうか?
食品安全委員会の「食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価」[PDF:1,300KB]の16ページ目を見ると、
衝撃的な事実がありました。
食品100g当たりのトランス脂肪酸の含有量が示された表です。
ここで着目してほしいのが、他の食品に比べてマーガリンが圧倒的に多いことです。
マーガリンは100g当たり5g~9gのトランス脂肪酸を含有していることとなります。
日本人の1日当たりのトランス脂肪酸摂取量の平均値は0.67gです。
これがエネルギー平均摂取量の0.3%に相当するので、1%は約2gです。
トランス脂肪酸を1日に2g以上摂取すると、WHOの安全基準を超えてしまうこととなります。
大体トースト1枚に塗るマーガリンの量は5g前後ですので、トランス脂肪酸は0.25gです。
トースト2枚で0.5gとなります。
WHOの安全基準までは遠そうですね。
また、明治では、コーンソフトというマーガリン100g当たりのトランス脂肪酸の含有量を1gに低減していると言っていますから、1日100g(トースト約20枚分にマーガリンを塗る量)摂取したとしても1日に摂取してよいとされる量の半分です。
つまり、普通のマーガリンを1日に40g摂取すると、1日に取るトランス脂肪酸がWHOの基準を超えてしまうので危険であるということですね。
まとめ
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が人体に悪影響を及ぼします。
WHO基準であれば、1日に摂取するトランス脂肪酸が2gを超えると危険であるとしています。
マーガリン100gにトランス脂肪酸が9g(多い場合)含まれているとすると、1日に摂取するマーガリンは22g未満にしなければなりません。
マーガリン22gはトースト4~5枚分です。
近年では、トランス脂肪酸の含有量を低減したマーガリンも発売されているので、そのマーガリンであれば、もっとリスクを抑えることができそうです。
以上のデータは、国、公的機関や販売元の数値を参考に考察しましたが、その調査や数値が必ずしも正確であるとも限りません。
リスクのある物はなるべく摂取しない方が良いのではないかと私は思いますが、そこまで神経質になるほどでもなさそうです。
できれば、マーガリンを選ぶ際は、トランス脂肪酸含有量が低いものを事前に調べておき、その商品をなるべく購入する方が良いのではないかと思います。
結論:トランス脂肪酸含有量が低いマーガリンをチョイスせよ!
以上です。
それではまた(^^)/